ICTで、未来をどうする?
離れていても
人と人を豊かにつなげていく

コロナ禍では会いたい人に会えない状況が続いたが、人と人がつながる新たな手段としてICTが受け入れられた。遠隔地にいながらも触れ合いや存在感を感じられないか、遠隔地にいながらもその場にいるかのような臨場感を与える技術「ハプティクス」研究に関わり、人と人をもっと豊かにつなげていきたい。

研究職
山下 藍香
[プロフィール]
2023年九州大学芸術工学部芸術情報設計学科卒業後、2025年九州大学大学院芸術工学府芸術工学専攻メディアデザインコース修士課程修了。2025年4月から新卒採用。
※部署・役職はインタビュー当時のものとなります。

コロナ禍では会いたい人に会えない状況が続いたが、人と人がつながる新たな手段としてICTが受け入れられた。遠隔地にいながらも触れ合いや存在感を感じられないか、遠隔地にいながらもその場にいるかのような臨場感を与える技術「ハプティクス」研究に関わり、人と人をもっと豊かにつなげていきたい。

学生時代に夢中になった研究テーマはハプティクスです。ビデオ通話などの遠隔コミュニケーションにおいて、振動を使った人との触れ合いや、それによって生まれる情動を研究していました。この研究を続けたいと思う一方で、早く社会に出てみたいという気持ちもあり、就職活動を始めました。技術職として民間企業から内定を得たのですが、修士課程2年次の夏休みに入る直前、NICTの研究職の採用情報を見つけ「悔いが残らないように、最後にここだけ受けてみよう」とエントリーしました。面接を受ける中で印象的だったのは「今後10年で何をしたいか」と質問されたことです。長い目で研究を後押しするスケールの大きさはもちろん、研究活動やNICTで取り組みたいことに対してコメントをいただき、会話をする中で入構を決めました。職員としても社会人としても新人で戸惑うことも多々ありますが、メンターの先輩がサポートしてくださるのでとても心強いです。年齢も近く、同じ女性研究者なので、職場での服装から研究テーマの決め方までいろいろと相談しています。おかげで、NICTでの生活をスムーズにスタートさせることができました。

私が所属するBeyond 5G研究開発推進ユニットは、移動体通信システムにおいて第5世代の次となるBeyond 5G/6Gの実現に向けた研究開発を推進する役割を担っています。その中で私が携わっているうちのひとつは、NICT内外を含めて、異分野の方が関わり合えるような仕組み作り。Beyond 5G/6Gはこれまでの通信技術の枠を超えたものであり、異分野の方が技術とアイデアを持ち寄り、力を合わせてこそ実現できるのです。その第一歩として、2025年8月、東京・日本橋に研究者や技術者、多様なバックグランドを有する人々の交流拠点であり、連携を推進するための拠点である「Innovation Bridge @TOKYO」がプレオープンしました。目下、2026年3月の本格オープンに向けて、展示内容の検討やイベント開催の企画などに取り組んでいます。共創の場として、NICTの幅広い研究分野をどのように横断的につなげていくか。ユニットのみなさんと意見を交わしながら進めているところです。私のような若手も自分の考えを自由に発言でき、風通しのよさに働きやすさを実感しています。
Beyond 5G/6G時代を実現するために、
異分野の協働・共創を支援。
Beyond 5G/6Gの実現には異分野との融合が重要になります。そこで、Beyond 5G研究開発推進ユニットでは異業種連携のイベントを主催しています。おかげで、自分と専門の異なる方と話す機会が増え、大いに刺激を受けています。逆に、私の専門領域に興味を持ってくださる人もいて、様々な質問を受けるうちに新たな気づきも。学生時代は遠く離れた人と人をハプティクス技術でつなげたいという思いで研究をしていましたが、現在のユニットの仕事も人と人をつなげるという意味では同じだと感じています。
Beyond 5Gのキャラクター「Sakura」


入構前は、Beyond 5G研究開発推進ユニットのことをあまり知らなかったのですが、内定後の面談で部署の説明を受け、ここでなら自分の専門領域であるハプティクスの知識を生かしつつ、新たなことにもチャレンジできるのではないかと思うようになりました。ユニットの仕事はマネジメント業務が中心です。けれど、学生時代に仲間とともにメディアアートの制作を経験してきた私にとって、様々な人が協力し合って取り組んでいくユニットの仕事には馴染みがあり、興味深いものだったのです。加えて自分の研究を進めることができる環境があることも背中を押しました。実際、配属後の働き方は自由度が高く、ユニットの仕事を行いながら、自分の研究にも力を注いでいます。参考になりそうな論文を読んだり、振動を使って色々な触覚体験を試してみたり。実験に必要な場所や材料を用意できる上、最新の技術や研究が身近にあるので、研究意欲がかき立てられる環境なのです。これはNICTならではの魅力といえるでしょう。自分の研究に打ち込みつつ、多くの人と関わり合いながらみんなで大きな目標に向かっていく……。やりたかったことをどちらも実現できたことに大きな喜びを感じています。


※写真はイメージです
[もうひとつの顔]
無心になれるパン作りで、
おいしく気分転換。
子どもの頃から手仕事が大好きで、趣味は羊毛フェルトで小さな人形をこしらえたり、パンを作ったりすること。無心になって没頭できるのでよい気分転換になります。先日もチョコレート生地を層にしたパン作りに挑戦し大成功。おいしかったです!
