NICT テニュアトラック研究員 渡邊 航
NICTの人 ICTで、未来をどうする?

テニュアトラック研究員

渡邊 航

  • 電磁波研究所 電磁波標準研究センター
  • 電磁環境研究室 研究員
  • 2023年入構

[プロフィール]

神戸大学工学部情報知能工学科卒業後、同大学院科学技術イノベーション研究科に入学。2023年3月、博士後期課程修了後、4月にNICT入構。電磁環境研究室でテニュアトラック研究員として「EMC(電磁環境両立性)」をテーマに各種研究に従事。2024年、電子通信情報学会「環境電磁工学研究会若手優秀賞」受賞。

※部署・役職はインタビュー当時のものとなります。

ICTで、未来をどうする?

便利なものを、
安心 ・安全に便利なまま使える未来へ

NICT テニュアトラック研究員 渡邊 航

様々なものが進化・発展する中で、本当の意味で便利なものを、安心・安全に便利なまま使える社会を実現したいと思っています。最先端の便利なものを安心・安全な環境で使えるようにするのが、私たちの研究の目的。便利な電子機器の持つ性能を100%発揮 できるよう、電磁干渉の脅威を取り除き、縁の下の力持ちとして、その実現に向けて重要な役割を担っていきたいと思います。

NICT テニュアトラック研究員 渡邊 航

電子機器が発するノイズによる
通信機器への電磁干渉の影響を評価・解析。

私たちの周囲には、家電製品や通信機器が溢れています。こうした機器は動作時に内部の電子部品から電磁ノイズを発生しており、それが広い通信帯域に及び、携帯電話の電波に干渉すると、通信に様々な影響を与えます。それを「EMI(Electromagnetic Interference:電磁干渉)」といい、電磁環境研究室では、こうした電磁干渉によって電気・電子機器が他の機器に影響を与えることなく、また、他の機器から干渉を受けても正常に機能する「EMC(Electromagnetic Compatibility:電磁環境両立性)」の実現をテーマに研究開発を行い、無線通信機器のノイズ測定およびEMC評価に関する国際規格の策定、メーカーへのフィードバックなどにも貢献しています。私は無線通信と電磁ノイズの干渉をテーマに、様々な電子機器の実際の使用環境下で発生する電磁ノイズが携帯電話の通信に与える影響を評価し、高品質で信頼性の高い無線通信を実現するための条件や影響、対策を解析しています。

NICT テニュアトラック研究員 渡邊 航

社会課題に取り組み、
その成果を社会実装につなげられる環境が魅力。

大学時代、直接関わりはありませんでしたが、国際学会や他大学との共同研究を通じてNICTの研究者と交流の機会を得ました。博士課程在学中に就職先として興味を持ち、自分の携わってきた研究成果が実社会で役立てられる可能性があると思い、NICTに応募 しました。
NICTで働くようになって 印象的だったのは、常に「その研究が社会の何に役に立つ のか」という出口を意識することが求められる点。大学時代のように学術的な探究だけでなく、社会的な活用や実装まで視野に入れる姿勢が必要だと感じました。専門性の深化だけでなく社会実装との両面を意識するようになったことが、自分にとって転機となりました。社会に直結する課題に取り組み、その成果を実装につなげられる環境があること。そして、幅広い分野のプロフェッショナルと協働し、自分の専門性を磨きながら、新しい視点や知識を吸収できること。そうした経験を重ねることで、研究者として成長できるとともに、社会に貢献している実感を得られるところにやりがいを感じています。

プロジェクトと私

電子情報通信学会
「環境電磁工学研究会若手優秀賞」受賞。

環境電磁工学分野を扱う国内の学術研究会「電子情報通信学会環境電磁工学研究会(EMCJ研究会)」が毎年、35歳以下の若手研究者を対象に、優れた研究発表に賞を授与しています。2024年3月、産業用ドローンにおける電磁ノイズと5G通信の電磁干渉へのシミュレーション解析に関する研究が評価され、「環境電磁工学研究会若手優秀賞」に選ばれました。

試験室での電磁耐性試験

プロジェクトと私
NICT テニュアトラック研究員 渡邊 航

社会インフラとしての通信の「安心・安全」を支えていく。

無線通信があらゆる領域に広がり、低遅延・大容量・高信頼性など、求められる要件が高度化する一方、高性能な家電製品・通信機器が多数利用される環境では、電磁ノイズの干渉が無線通信に与える影響はさらに大きくなると予想されます。遠隔医療やドローン、自動運転など、通信の担う役割が重要性を増す中、通信の遅れや不具合が人の命や社会生活の維持に重大な影響を及ぼす可能性は高まっています。高性能な電子機器が電磁干渉の影響を受けず、本来の性能を十分に発揮するするためには、EMCと通信性能に関する研究のさらなる発展が不可欠です。NICTは、社会インフラとしての通信の安心・安全な利用を支える役割を担っており、電磁干渉の課題に体系的に取り組める研究施設・設備はもとより、電磁干渉の評価技術や知見を多数蓄積しています。今後、研究内容の専門性をさらに深め、その成果が社会的にどのような価値を持ち、将来、どのような可能性を広げることができるのか、社会に対してしっかり示せるようになりたいと考えています。日々の業務を通じて、通信の「安心・安全」を支えることの意義を意識して研究に取り組むとともに、短期的な成果にとどまらず、長期的かつ幅広い視点で取り組む必要がある社会の困難な技術課題の解決と社会を変革するイノベーションの創出に貢献できる研究者として成長していきたいと思います。

NICT テニュアトラック研究員 渡邊 航
NICT テニュアトラック研究員 渡邊 航

※写真はイメージです

[もうひとつの顔]

昼は、ボードゲーマー !?

昼休みに週1回、有志で集まり、カタン、モノポリー、ジェンガなどのボードゲームを楽しむ会を開催しています。昼休みの時間内に終わるものを選び、ボードゲームのルーツであるドイツ系のゲームをすることが多く、日頃関わりのない研究者や事務職の方と交流を深められる貴重な機会にもなっています。

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