ラムゼー共鳴

安定な状態に揃えられた原子に電磁波を時間tだけ照射し、その後時間Tだけ待って再び同じ 周波数の電磁波を時間tだけ照射します。(下図参照)


このように2回に分けて原子に電磁波を照射すると、原子が安定な状態から不安定な状態に移る
確率は、実際に電磁波を照射する時間tばかりでなく、2回の照射の間の時間Tにも依存します。 原子の状態が変化する確率は、Tが長ければ長い程、照射した電磁波の周波数変化に敏感になるのです。
この現象を「ラムゼー共鳴」と呼びます。 Tを長くすることにより、原子の状態を変化させられる電磁波の周波数範囲を狭めれば、その 中心周波数をもっと高い精度で測定することが可能になります。



左の図は、NICT-O1で得られたラムゼー共鳴信号の一例です。
周波数差が半値幅を超えたあたりから、正弦振動からだいぶはずれた形になっていきます。 Tの値を大きくすると(電磁波を照射する間隔を長くすると)図中に1/2Tで示した部分の 幅が狭くなり、中心周波数を確定しやすくなります。