衛星双方向時間周波数リンクによる遠隔地光周波数校正

光やマイクロ波の振動周波数を高精度に計測するとき、一般には相当の精度をもつ周波数標準がその場に必要ですが、 人工衛星から届く電波から標準周波数を得て測定することもできます。しかし従来のGPSや静止衛星を利用する衛星利用 の測定では、平均時間1秒の不確かさが10-10程度のため冒頭の計測を満足する10-14~10-15乗 の不確かさで測定したい場合、1日程度計測を繰返して平均値を算出する必要があります。一方、当研究室の周波数・時刻比較グループが 開発した衛星双方向搬送波移送利用法では、平均時間1秒で既に ~10-15の比較精度を持つため、周波数標準がない場所 でも数時間の計測で~10-15程度の測定ができ、これは日本標準時で裏付けされた高価な周波数標準(水素メーザー) が手元にあるのと同等の精度になります。

周波数標準グループは、光周波数を安定度の劣化を抑えた形でマイクロ波周波数に変換することができ、この技術を活かし 周波数・時刻比較グループと協力して大学等遠隔地の研究機関で開発された光周波数標準等の絶対周波数を測定する研究を行っています。