イッテルビウムイオン(Yb+)マイクロ波周波数標準器の開発

本プロジェクトでは、イッテルビウムイオン(YB)を用いたマイクロ波周波数標準器を開発しています、ここでは多少精度を犠牲にしてでも 長時間の連続運転と、小型化を目的としており、これはセシウム原子泉時計、光原子時計等で高精度を追及するために、あまり考慮してこなかった特性です。
周波数標準器に用いられる原子の候補はたくさんありますが、イッテルビウムは、

1.必要なレーザーを半導体レーザーだけで構成できる。

2.カドミウムや水銀などと違い、毒性がない。

3.マイクロ波標準器にも、光周波数標準器にも用いることができる。

といった利点があり、今後マイクロ波も光も同時に供給する周波数標準器とすることも視野に入れています。



--参考文献--

N. Shiga, M. Mizuno, K. Kido, P. Phoonthong and K. Okada, “Accelerating the averaging rate of atomic ensemble clock stability using atomic phase lock,” New Journal of Physics 16, 073029 (2014)


P. Phoonthong, M. Mizuno, K. Kido and N. Shiga, “Determination of the absolute microwave frequency of laser-cooled 171Yb+,” Applied Physics B, (2014)


N. Shiga, M. Takeuchi, “Locking the local oscillator phase to the atomic phase via weak measurement,” New Journal of Physics, 14, 023034 (2012)