将来ビジョン

量子通信のネットワーク化

超長距離の量子通信の実現

量子セキュリティ分野で生み出された技術をドローンや衛星に搭載して、レーザー光による量子通信によって地球を網羅する大容量かつ安全なネットワークを実現することができます。
現在の移動通信ネットワークで使用可能な電波の周波数はひっ迫して規制されていますが、レーザー光はまだ規制の対象外となっています。また、量子通信のレーザー光は広帯域で指向性が高く、電力効率の上昇や干渉の低減といった電波にはない利点があります。
さらに、宇宙空間であれば光の減衰がほとんどないため、地上の光ファイバー回線では実現していない地球規模での量子暗号も可能になると期待されています。

 衛星量子鍵配送

量子ネットワークの実現

長距離化した量子通信を量子コンピューティングや量子計測・センシングと融合した量子ネットワークも構想されています。
0でもあり1でもある量子情報(Quantum bit:キュービット)を量子中継という技術を使って、ネットワーク上で直接やりとりして、以下のような様々な技術を実現することが期待されています。

量子ネットワークとは
長距離間の量子暗号

量子情報を壊さずに中継伝送する技術による長距離間の量子暗号

光時計量子ネットワーク

遠隔にある光時計同士を接続した従来技術では不可能な正確性で時間を刻む光時計量子ネットワーク

分散量子コンピューティング

中小規模の量子コンピュータの相互接続によって高い演算能力を有する分散量子コンピュータ

秘匿量子計算

誰にも内容を知られることなく分散量子コンピュータによって量子計算を実行できる秘匿量子計算

量子技術プラットフォームの構築

最終的には、①量子暗号によるセキュリティ技術とネットワーク技術が融合した「量子セキュリティ融合領域」の開拓、②衛星通信分野との連携による量子通信の広域化、③量子コンピューティングや量子計測・センシングとの融合、④現在のインターネット等のネットワークとの統合により、量子技術プラットフォームを構築することを目指しています。

量子技術プラットフォームの構築
PAGETOP