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ぱぶまるブログ
電波のある暮らしとタンチョウヅル
9月24日~27日、北海道大樹町にある大樹航空宇宙実験場と大樹町多目的航空公園滑走路で行われた通信実験に参加してきました。新しい技術を使って目には見えない電波を繋げるには多くの困難がつきものです。今回も、途中に様々な問題等ありましたが、参加した機関それぞれの研究者が知識と技術を持ち寄り、最終日には見事課題をクリアして成功裏に終えることができました。
実験中のある日、私は航空公園から5kmの地点で電波の地上局モニタをしていたのですが、夕方に撤収の連絡が入り、車で戻る途中、道路脇でのんびりとくつろいでいる2羽のタンチョウヅルに遭遇しました。
野生のタンチョウヅルを見たのは初めてで、思わず車を停めて眺めていたところ、タンチョウヅルは警戒することなく、ゆっくりとこちらに寄ってきて道路をのんびり渡り始めました。その優雅な足取りは、あたかもそこは自分たちの縄張りだと言わんばかりで、私は2羽が完全に渡り終えるのを待ち、「すみませんが通らせて頂きますね。」と心の中でつぶやきながら、ゆっくりと車を走らせてその場を後にしました。
1924年に釧路湿原で再発見されるまで、日本では絶滅したと考えられていたタンチョウヅルですが、8世紀の皇族・長屋王の邸宅跡地からタンチョウらしき鶴の描かれた土器が出土しており、これが現在知られている中で最古のタンチョウを描いた文物だそうです。
8世紀!西暦700年代。何と、今から1300年以上前にはタンチョウヅルが日本に生息していたんですね。
そして、その頃も電波は飛んでいたに違いない・・・。
現在、アスファルトを横切るタンチョウヅルの生活も多少は変わったでしょうが、目には見えない電波の存在を知り、研究し、利用して生活を豊かにしてきた我々人間の生活の変わりようは、1300年前には想像すらできなかったことでしょう。
「繋げる」ことに苦労してきた電波。今もなお、電波を使って「繋げる」ための努力と挑戦は続いていますが、1300年後の生活は一体どうなっているのか・・・。
それこそ今は想像もつきませんが、きっと、私の周りにいる研究者達のように、人はあくなき探求心で研究を重ね、さらに豊かな社会を創り上げているに違いありません。
そしてそこには、今と変わらずのんびりと暮らすタンチョウヅルが優雅に歩いているといいなぁ、と過去と未来に思いを馳せた夕暮れ時でした。。。
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