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ワイヤレスネットワーク
研究センター
(神奈川県横須賀市)
無人航空機関連の通信技術
Command Hopper
無人機研究チームでは、主に携帯電話が届かないエリアが多い災害現場や山奥、海上等で活躍するドローンなどの空モビリティを主な対象として、通信に特化したワイヤレスシステムを研究しています。
本研究では、山や建物の陰になるような場所にドローンを飛行させたい場合でも、中継通信によりドローンの制御情報を安定に送ることができるシステムの研究開発を行っています。
技術解説
コマンドホッパー
ドローンを制御および監視する場合にはコストやデバイスの入手性から2.4GHz帯無線が採用されることが多いですが、2.4GHz帯無線をドローンの遠隔制御に使用する際には電波到達距離や干渉の問題等の多くの課題があります。
本研究では920MHz帯と169MHz帯の2つの周波数を組み合わせた通信システムを開発しています。169MHz帯では低速ですが数km程度あるいはそれ以上の距離で通信可能で、920MHz帯では1km程度以下の近距離ですが169MHz帯よりは高速な通信が可能です。また、時間分割による多重化を採用し、最大3ホップまでの遅延補償中継通信が可能で、適切な位置(ドローン上あるいは地上、建物上等)に中継局を配置することにより山や建物などの障害物を越えて、ドローンと地上局の間のテレメトリ・コマンド回線をつなぐことができます。このシステムは通信距離と通信速度をトレードオフの関係にしており、ドローンのミッションが要求する条件に合わせて設定することできます。
用語解説
920MHz帯
テレメータ、テレコントロール、データ伝送用として利用可能な特定小電力無線局の周波数帯であり、技術基準適合証明を受けた無線設備であれば免許不要で使用可能。
169MHz帯
総務省が2016年に制度化した「無人移動体画像伝送システム」の1つ。2.4GHz帯や920MHz帯よりも電波の到達範囲が広い特徴がある。
研究員
成果
NICTプレスリリース: 電波の途切れにくい新しい周波数でドローンの制御飛行に初めて成功
関連する標準規格
-
920MHz帯テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備
ARIB STD-T108 -
無人移動体画像伝送システム
無線設備規則第49条の33
最新トピック
・2022年電子情報通信学会総合大会で発表「火山調査におけるUAVのマルチホップ制御実験」(2022年3月)
・2022年電子情報通信学会ソサイエティ大会で発表「山中の送電鉄塔を中継するUAVの169MHz帯通信実験」(2022年9月予定)
関連リンク
Drone Mapper
本研究では、ドローン(小型無人航空機)を含む複数の飛しょう体が飛行する環境での安全運航実現のために、ドローン間の直接機体間通信により、GNSS等によって得られる各機体の位置・高度及び識別番号などを共有するシステムの開発を行っています。またこの技術を用いて飛行制御を行うことにより、操縦者を介さずに、ドローン自体が自動で複数相手機との接近を回避したり隊列を組んで先導するドローンを自動追従する群飛行(離着陸を含む)に応用するシステムの研究開発を行っています。
技術解説
ドローンマッパー®
開発を行っている機体間通信に基づく位置情報共有システムを"ドローンマッパー®"と呼んでいます。
このシステムを将来のドローンの安全運航管理に応用することを目指した実験を行い、複数ドローン間だけでなく、ドローンと有人ヘリコプターの機体間及びそれらの飛しょう体と地上局の間において、途中に障害物等がなければ10km以上の距離を隔てて0.5 秒ごと或いは1 秒ごとに相互の飛行位置及び各機体の識別番号、機体認証情報などの把握が可能であることを実験で確認しています。
開発したプロトタイプでは免許取得が不要な920MHz帯(LPWA方式、送信出力20mW)を用い、電波が互いに届く範囲内で約30 台~50 台程度の端末を収容できます。
用語解説
920MHz帯
テレメータ、テレコントロール、データ伝送用として利用可能な特定小電力無線局の周波数帯であり、技術基準適合証明を受けた無線設備であれば免許不要で使用可能。
GNSS
衛星測位システムのことで、人工衛星から発射される信号を用いて位置測定・航法・時刻配信を行うシステムのこと
研究員
成果
- NICTプレスリリース: 世界初、ドローン同士の直接通信で自動追従群飛行と自律接近回避に成功 ~多数のドローンが飛び交う時代における運用の効率化と空の安全性の向上へ~ (2022年4月11日)
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ドローンと小型有人ヘリとの直接通信により危険を自動的に回避する実験に成功(2019年9月7日)
- NICTプレスリリース: ドローン同士の直接通信でニアミスを自動的に回避する実験に成功 (2019年1月24日)
関連する標準規格
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920MHz帯テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備
ARIB STD-T108
最新トピック
BSフジ「ガリレオX」で本研究開発と松田主任研究員のインタビューが放映されました(2022年6月26日 再放送7月3日)
関連リンク
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