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ぱぶまるブログ
2020年は、地上系ワイヤレスにとってもオリンピックイヤー。
松の内も過ぎましたが、改めて、新年あけましておめでとうございます。
2020年はキリの良い数字の年でもありながら、東京オリパラというビッグイベントを抱えたオリンピックイヤーとして、日本全体が奮起、期待、応援といったポジティブなムードに包まれるうちに始まりました。
私たちワイヤレスシステム研究室の主要研究トピックのひとつである地上系無線通信システムにとっても、2020年は特別な意味を持ちます。なぜなら、第5世代移動通信システム「5G(5th Generation)」の本格的な実用化が始まる年であるからです。
「ケータイ」こと陸上移動通信システムは、これまでほぼ10年の間隔で世代交代が行われています。NICTの地上系ワイヤレス研究チームが横須賀リサーチパーク(YRP)に拠点を築いた1997年は、3Gが普及する直前でした。その後、3G、4G、5Gへと約10年単位で進化を遂げ、次なる6Gの出現は2030年と言われています。地上系ワイヤレスにとって、2020年はシステム上の大きな転機がもたらされると同時に、次世代に向けた取組みのスタート地点にも当たるという、まさにオリンピックイヤーなのです。
5Gの最大の特徴は、単純にデータ通信速度が速くなるだけではなく、多様な通信サービスを実現するために、高スループット、高モビリティ、低遅延、大容量、多数接続、省電力といった高度化の要素を複雑に組み合わせることができる点です。5G以降の世代にも継続するであろうこのような複雑なサービスを実現するには、無線機や無線方式における電波発射や信号処理などの技術はもとより、基地局がつながる基幹ネットワーク側の処理技術や、現実の事象をデジタルデータで捉えてクラウドなどの仮想空間で処理するデジタルトランスフォーメーションまでも含めた技術の高度化が必須と考えられています。
ワイヤレスシステム研究室では、これらの技術を高度化するための検討を積極的に進めると同時に、従来の携帯電話システムにとどまらず、モノ同士の通信システム(IoT:Internet of Things)やスマート工場、高度交通システム(ITS:Intelligent Transport System)、ドローンシステム、海中無線システムなど様々なテーマのもと、5Gから6Gに至る通信サービス実現に取り組んでいます。冒頭で触れたとおり、横須賀市に拠点が置かれている点も、当研究室には非常に有益と言えます。なぜなら、横須賀市には、農業、漁業、工業を含めた幅広い産業があり、こうした実産業と連携した無線通信の実証を行うことは、他では得られない意義をもたらすからです。
「オリンピックイヤー」にあたり、当研究室としては「フィールド(Field)×フィールド」の概念を抱負のひとつに掲げたいと思います。前者の「フィールド 」は「分野」であり、各研究開発や技術の焦点たるべきものを意味しています。対して、後者の「フィールド」は「地域・産業」であり、前者のフィールドが活かされるべきところを表します。様々な「フィールド」が、多彩な「フィールド」に展開され、次世代、さらには次々世代の地上系ワイヤレスに佳き効果をもたらすことを望んでやみません。
最後に、ワイヤレスシステム研究室は、横須賀市をはじめとする全国の企業や学術機関、自治体、ひいては海外に至る規模での研究連携を求めています。素晴らしい「フィールド×フィールド」を期待しつつ、皆様からご提案やお声がけを頂けるのを楽しみにお待ちしております。
2020年の始まりに、「フィールド×フィールド」の足掛かりとして、まずは ワイヤレスシステム研究室のウェブサイト を覗いてみてください。
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