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PEOPLENICTで働く人たち #1
社会人ドクターとして学位の取得を目指しつつ
最先端の「宇宙開発×ICT」に関する研究開発に携わっています。
※2020年2月時点

ホーム/ 阿部侑真|PEOPLE

阿部 侑真ABE Yumaネットワーク研究所
ワイヤレスネットワーク研究センター
宇宙通信システム研究室 主任研究員

※インタビュー時
ワイヤレスネットワーク総合研究センター
宇宙通信研究室 研究員

慶應義塾大学 理工学部 物理情報工学科 卒業後、大学院へ進学。2017年3月、基礎理工学専攻 前期博士課程を修了。2017年4月、NICTに入所。並行して後期博士課程に在学し、2020年3月、博士(工学)を取得。2022年度打上げ予定の技術試験衛星9号機をはじめ、将来の宇宙通信システムに関する研究開発に従事。

サイバーセキュリティから宇宙天気まで。研究の幅広さに触れ、自分の中のICTの定義が広がりました。

システム制御を専攻していた大学時代。小型の模擬人工衛星開発プロジェクトを経験した楽しさが忘れられず、いずれは宇宙開発に携わりつつ、社会基盤となるようなシステムに貢献したいと考えるようになりました。そうした中、たまたまお話を伺う機会があったのがNICTの研究者の方。NICTには私がやりたいことを実現できる環境があることを知り、働きたいと思うようになりました。私は現在、大学院の博士課程にも通っているのですが、NICTにおける仕事と博士の学位取得の両立を許していただけたことも入所の決め手になりました。NICTに入所して驚いたのは、研究テーマの幅広さ。NICTは単なる通信だけではなく、サイバーセキュリティから宇宙天気まで多岐にわたる研究に取り組んでいることを知り、自分の中のICTのイメージが変わり、定義がぐんと広がりました。国の研究機関として、他の研究機関や企業、大学、政府などの外部機関と関わりながら、プロジェクトをゼロから立ち上げて研究開発を進められる環境は研究者として魅力的です。

様々な機関と連携しながら、2022年度に打ち上げ予定の通信衛星に関する研究開発を推進しています。

現在の主な仕事内容は、2022年度打上げ予定の技術試験衛星9号機に関する研究開発です。システム構成の検討やリソース管理アルゴリズムの研究をしながら、衛星搭載機器やその制御システムの仕様策定に関してJAXA、衛星の搭載機器メーカー、大学などの連携機関と打ち合わせをする日々です。課題となっているのは、飛行機や船の中、災害時などでもユーザの通信要求を満たすことのできる通信環境を提供するために、通信衛星の搭載機器をどのように制御するかということ。私の大学時代の専門はシステム制御でしたので、「衛星通信システムのモデリングと制御」を主な研究テーマとし、上記の課題解決を目指した研究をしています。自分が得意とする分野から研究開発に関わらせていただけているので、ありがたいですね。仕事柄、展示会などへ出展し、一般の方に研究内容を説明する機会があるのですが、むずかしいことをカンタンに伝えられるよう工夫しています。

幅広い研究開発成果を社会に還元する、イノベーションプロデューサーとして働きたい

自分の研究が実を結ぶまでには時間がかかりますが、NICTでの研究は自分が提案したシステムや方法を実装するための近道。「宇宙開発×ICT」という大規模なプロジェクトに携われるやりがいを日々感じています。将来的には企業や大学、海外機関などと積極的に関わりながら、衛星通信に限らない幅広い分野の研究開発成果を社会に実装・還元するイノベーション/ビジネスプロデューサーとして働きたいと考えています。そのためにも、まずは現在関わっているプロジェクトの実証実験を成功させたいと思います。現在、衛星通信システムのあり方が急速に変わりつつあるため、新しい視点から研究を進める必要があります。そのため、私のように通信を専門としていない人にも活躍の場があると考えています。だからぜひ、「自分の専門を活かして新しいシステムをゼロから考え、デザインしたい」という方に興味を持っていただきたいです。また、私のように社会人ドクターとして博士の学位取得を目指すというキャリアパスもあることも知ってほしいです。

私の研究成果

2022年度の打上げが、自分のアイディアを実証できる機会ですので今から楽しみです。

技術試験衛星9号機の運用・制御が私の研究テーマですので、成果が出るのは打上げの後。そこでの実証実験が初めて自分のアイディアを実証する機会となるため、今から楽しみにしています。現在はその実証実験に向けて、該当の衛星を使って何ができるのか、さらに、将来多くの衛星を宇宙に打ち上げることでどのようなことが可能になるのかなどを考え、論文として発表しているところ。衛星搭載機器も製造の真っ最中。無事に実証実験が成功するよう準備を進めます。

※写真はイメージです

私のオフタイム

最近は好きな芸人のライブを見に劇場へ足を運んだりDVDを見て過ごしたりすることが多いです。本やコーヒーも好きなので、週末はよく本屋やカフェに行きますね。国内外問わず旅行に行って写真を撮るのも好きです。

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