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PEOPLENICTで働く人たち #9
自分の得意なことが、人の喜びや希望へと形をかえていく、
たどり着いたところがNICTでした。

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佐藤 知紘SATO TomohiroBeyond5G研究開発推進ユニット テラヘルツ研究センター
テラヘルツ連携研究室
主任研究員

2014年3月東京工業大学大学院にて博士課程修了後、市川学園常勤講師を経て、2015年9月NICT入所。有期雇用研究員、テニュアトラック研究員を経て、2021年4月より現職。衛星リモートセンシング等による地球大気観測データを用いたデータサイエンス研究に従事。2017年、日本大気化学会奨励賞受賞。2021年、情報通信研究機構成績優秀表彰優秀賞(団体)筆頭者。

佐藤 知紘 主任研究員

教育から研究の道へ。教えることの喜びを経験し、「プロと研究」という、豊かな学生時代を過ごしたからこそ、NICTへ。

学生の頃は研究者の道を考えていませんでした。同じ例は少ないと思うのですが、私は研究者になる前、中高一貫の学校で物理の先生をしていました。子供の頃の憧れの職業も「教師」でしたね。先生になりたいと思うようになったきっかけは、友達から勉強を教えてほしいと頼まれる事が多かったことが大きいように思います。教えているうちに「わかりやすかった」「勉強って面白いね」などと喜んでもらえましたし、わかった瞬間の友達の表情の変化や、理解していく姿を見ていると、嬉しくなっていたのは覚えています。それらの経験から「学ぶ楽しさを伝える」ことが向いていると思ったのでしょうね。
NICTを知ったのは、学部4年生の時期でした。卒業研究では、地球大気を観測する衛星搭載センサーのデータ解析で用いる、分子分光パラメータを実験室測定で求める研究をしていたのですが、そこで使うセンサーが、JAXAとNICTが共同開発したSMILES*1でした。 私は、そのSMILESが打ち上げられ、「きぼう」に取りつけられた同じ年に修士課程へと進んだこともあり、NICTで研究をさせていただけることとなりました。
プロの研究者の方々と一緒に研究をするということ。これは非常に貴重で心躍る経験となりました。その後、博士課程を終え、希望通りの教師になりながらも研究の道に戻ったのは、この修士〜博士時のNICTでの時間が、私のなかに「研究に没頭してみたい」気持ちの根を張らせたのかもしれません。それほどに、豊かな経験をさせてもらったと思い返します。


*1: SMILES:超伝導サブミリ波リム放射サウンダ。地球大気環境を計測するセンサー。
https://smiles.nict.go.jp/pub/about/index-j.html
佐藤 知紘 主任研究員

研究者にとっての使命と、膨らむ感謝の気持ち

そして研究者となりましたが、NICTの研究者として意識していることは、成果を具体的な形で残すことですね。研究者として、自分の頭に浮かんだアイデアや研究は、論文や特許などの形にして社会に残していくことが使命だと思っています。国立の研究組織ですから、特に公共性が求められると思っています。
研究者というものは、やりたいこと、追い求めたいことを持つことが必須条件です。一般常識から外れることで見えてくるものもあるため、様々なタイプの研究者がいます。ただ、どの職業でも同じように、自分一人で何かをするということは基本的にはほとんどなく、周りの方々の助けを借りてチームで動いて仕事をしています。チームで研究するからこそ良い結果が出ると思います。ですので、良い成果を生み出すための前提条件が「良いチーム」だとすれば、どうすればもっと良いチームになるのか、日々試行錯誤も必要だと思っています。これは、人は一人では生きていないという再確認を繰り返すことともなり、私の中では研究をすることは、関係者への感謝の気持ちが膨らむことでもありますね。

佐藤 知紘 主任研究員

NICTは現場の意見を吸い上げる組織力があります。そして、研究に没頭できるバランスの良い環境があります。

私がNICTを選んだ理由は、修士や博士課程の経験だけでなく、NICTが総務省管轄の唯一の研究機関であることも大きいです。NICTでは、ICTに関わる様々な研究開発が行われています。現在の社会はICTが関与しないような分野はあまりないので、研究テーマの選び方としても非常に広く取り組むことができます。
NICTは、現場の意見を吸い上げようとする姿勢が、組織としてしっかりあることが大きな魅力です。研究者、幹部、全ての部署において交流が多い、珍しい組織ですね。研究だけでなく、日常業務についてもワーキンググループで議論されます。そしてその内容は上層部に報告され、働きやすい環境づくりに繋げていく仕組みになっています。
NICTでは、ワークとライフのバランスをとることに対してもサポートがあります。私はサッカー部に入ったのですが、他にもテニスやカラオケなどのアクティビティが充実しており、気分転換ができるのでOFFにもなっていますし、この縁からONが始まることもあります。
テニュアトラック制度*2を経てパーマネントになったことも含めて、NICTは、大きな組織でありながらボトムアップの仕組みをうまく採用している組織だと思います。研究者にとってベストな環境を与えてもらっているからには、研究を成果の形で社会に還元しなければと、さらに研究に没頭するという、モチベーションを引き出す良い循環を感じます。


*2: テニュアトラック:公正で透明性の高い選考により採用された若手研究者が、審査を経てより安定的な職を得る前に、任期付の雇用形態で自立した研究者として経験を積むことができる仕組みのこと。当機構においては、将来を担う優秀な人材の発掘及び確保を図るため、平成29年度よりテニュアトラック制度を運用している。

私の研究成果

衛星リモートセンシングによるデータサイエンスが私の専門です。

私は衛星リモートセンシングデータを用いたデータサイエンスを専門とし、その中でいくつかのテーマを同時並行で実施しています。その中で、NICTの中で最も他部署と連携しているテーマがあります。
今、大気汚染により、世界で年間約660万人の方が命を落としているという報告があるにも関わらず、そのことはあまり知られていません。私の進める研究では、この複数の大気汚染物質を包括的に1つの数字で表すための指数、キレイな空気指数(Clean aIr Index, CII *3)を提案しています。いつどこの空気がキレイなのかを数値で比べることができるようなります。CIIは、「空気の品質に科学的な価値を与える」ので、産学官連携によって、様々な場面でわかりやすく利用していただけると考えています。これらの展開は、IDI共創デザインプロジェクトや戦略的プログラムオフィス等、NICT内部署と連携して進めています。
もう一つは、外部組織とも連携しているGOSAT-GW*4衛星プロジェクトです。GOSAT-GW衛星は、GOSAT1号機、2号機の後継機に当たります。大きな特徴として、GOSAT-GW衛星搭載のTANSO-3センサーは、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスだけではなく、二酸化窒素(NO2)という大気汚染物質を同時に観測します。CO2とNO2を同時に観測する衛星搭載センサーは、現在は他にはありません。我々は、このNO2観測について、国立環境研究所を主体とし、海洋研究開発機構と3者で締結した共同研究契約の下に進めています。
また特徴として、TANSO-3センサーは、従来よりも短時間で広い範囲を観測することができます。観測点数はGOSAT1号機、2号機よりも100倍以上に増え、その分データ処理のスピードをとても早くする必要があり、私たちのチームは手段を考え抜かなければなりません。


*3: キレイな空気指数 https://www2.nict.go.jp/ttrc/thz-sensing/ja/cii/
*4: GOSAT-GWhttps://gosat-gw.global-atmos-chem-lab.jp/
キレイな空気指数(Clean aIr Index, CII)のポスター

キレイな空気指数(Clean aIr Index, CII)のポスター

私のオフタイム

サッカーをはじめ、体を動かすことが好きです。映画も好きです、ジブリ好きなので、私のデスクには頂き物のトトロが住んでいます。マンガならワンピースが好きですね。コミックの巻末に読者の作品として載せてもらったことは、今でも自慢にしています。そうそう、音楽も好きですよ、特にミスチルのライブはここ10年ほぼ全て行き、うちのめされるような感動と希望を毎回感じています。あれほどに多くの人を喜びに満たすということはすごいことですよね。

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