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ワイヤレスネットワーク
研究センター
(神奈川県横須賀市)
IR-UWB技術
Impulse-Radio Ultra-WideBand (IR-UWB)
NICTは国内外のUWB制度化及び標準化関連の活動を進めながら、IR-UWBに対する研究開発を行っています。
例えば、民間企業と協力してIR-UWB受信機の検波回路で用いる検波閾値を受信信号強度に応じてアダプティブに変化させる構造を実装し、受信感度を6デシベル以上改善させることによって測距距離を伸ばすことに成功しました。また、一回の測位を数ミリ秒オーダーで完結させ、リアルタイム測位に繋がりました。
開発したIR-UWB測位システムのイメージを図1に示します。天井等に設置されている固定機に基づいて、移動機は3台以上の固定機との間でIR-UWB通信による距離計測を行い、3点測位によって自分の位置を推定します。このシステムをショッピングモールや物流倉庫などに設置して、リアルタイムの動線把握、ナビゲーション、モノの所在発見などを実証しました。
技術解説
超広帯域インパルス無線(IR-UWB)
超広帯域インパルス無線(IR-UWB: Impulse Radio Ultra-Wideband)はナノ秒オーダーの短い時間パルスを用いて送受信するため、高い時間解像度と低消費電力および低コストなどの特長を持ち合わせています。
測位に応用すると、例えば1ナノ秒幅のパルスを用いますと最大誤差30センチメートル以内で距離測定できます。さらに異常値除去や平均計算などの手法と併せて用いることによって、距離測定誤差をミリメートルオーダーに抑えることも可能です。
IR-UWB搭載端末の間で行う測距および通信はさまざまな可能性を秘めています。上記の高精度な測距測位のほか、車キーレスエントリー、近距離高速通信などでの利活用においても注目を集めています。
IR-UWBに対する国際標準規格が複数策定され、国内においてもUWBに対する規制緩和は行われ、UWB屋外利用の制度整備が施行されました。また、スマートフォンやスマートウォッチなどの携帯端末へのIR-UWB搭載が進み、今後、IR-UWB技術のポテンシャルはどんどん引き出され、様々な産業活動及び日常生活の中で役立つことが期待されます。
研究メンバー
成果例
- 特許第6241642号「無線検出器及び無線検出方法」(平成29年11月17日)
- US 10,277,263 B2「RADIO RECEIVER」(2019年4月30日)
- H.-B. Li, R. Miura, H. Nishikawa, T. Kagawa, and F. Kojima, "Proposals and implementation of high band IR-UWB for increasing propagation distance for indoor positioning", IEICE Trans. on Fundamentals, vol. E101-A, no.1, pp.185-194,Jan.2018.
- H.-B. Li, K. Takizawa, and F. Kojima, "Accelerating Outdoor UWB --- Domestic Regulation Transition and Standardization Within IEEE 802.15", to appear on IEICE Trans. on Fundamentals, vol. E103-A, no.1,Jan.2020.
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